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映画・映像を通して被爆体験の継承を目的とした映画祭の紹介


by 被爆者の声をうけつぐ映画祭実行委員会

2012年映画祭プログラム(2日目)9月15日(土)

プログラム2 10:00~12:00
・ドキュメンタリー『もし、この地球を愛するなら』
1981年、製作:NFBC(カナダ国立映画制作庁)、26分、カラー
監督:テリー・ナッシュ、日本語版制作・演出:片桐直樹
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 今から30年以上前の作品だが、医学博士ヘレン・カルデコットの熱気溢れる講演は現在の我々に鋭く迫る。何故これほどまで核兵器が発達したのか、もし核保有国がそれを使用したら……ヘレンは雄弁だ。どうすれば人類は生き延びられるか。「女は情熱的です。男を迷わせるほどに情熱的です。赤ちゃんを先頭に議会にデモをしましょう。地上からすべての核兵器を廃絶しましょう。もし、あなたがこの地球を愛するなら。」


・ドキュメンタリー『無限の瞳』
1955年、製作:成城高等学校生徒会、20分、モノクロ
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 佐々木禎子さんの折り鶴にも影響を与えた、当時の学生たちの先駆的な平和運動を記録した貴重な作品。小学生の時に広島で被爆した千葉亮君は東京、成城高校に入学したが、白血病に襲われる。生徒たちが千葉君を救おうとカンパを集める運動を始め、集会やラジオで訴え、大学生たちの協力も得ながらこの記録映画を作り始める。運動が全国の高校生たちに「無限の瞳」となって広がって行く様子に驚かされる。

・お話:『無限の瞳』制作関係者(数名)


プログラム3 13:00~15:30
・劇映画『ヒロシマの証人』
1968年、製作:「ヒロシマの証人」製作上映実行委員会、監督:斎村和彦、110分、モノクロ
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 1960年代、原爆症で倒れ亡くなる者が後を絶たないなか、貧しい被爆者たちが暮らす相生地区は、団地の建設計画によって立ち退きの対象となる。死の恐怖と生活苦に苛まれる被爆者たちは、やがてABCC(米国原爆傷害調査委員会)の非人道性を批判する医師たちとともに立ち上がる。被爆者たちの姿を通して戦後の広島を描いたディスカッション・ドラマ。本映画祭実行委員の山口逸郎が、初めてプロデュースに携わった作品でもある。

・お話:山口逸郎(プロデューサー)


プログラム4 16:30~18:10
・ドキュメンタリー『幻の全原爆フィルム日本人の手へ! 悲劇の瞬間と37年目の対面』
1982年、製作:日本映像記録センター、監督:熊谷博子、72分、カラー
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 原爆投下直後、その惨状を撮影したフィルムは、日本占領期に米軍によって持ち去られ、米国国立公文書館に所蔵された。時は過ぎ1980年代初頭、そのフィルムを市民のカンパにより10フィートずつ買い戻す市民運動「10フィート運動」があった。このドキュメンタリーは、その成果を用いて制作されたテレビ番組である。被爆者たちが、フィルムに収められた、かつての自身の姿を見ながら、その決して癒えない生々しい体験を語っていく。

・お話:熊谷博子(監督)


プログラム5 19:00~20:30
・ドキュメンタリー『あしたが消える -どうして原発?-』
1989年、製作:原発を考える映画人の会、構成演出:千葉茂樹/中嶋裕/田渕英夫/金高謙二、55分、カラー
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 今から23年前、この作品は、まるで福島の大惨事を見通していたかのようである。若くして骨ガンで亡くなった元原発技術者を父に持つ若い女性の思いと行動を追う。本当の死因は? 元原子炉設計技師、被ばくの実態調査を行う医師、そして父親の部下たちの証言。次々と原発の危険性が浮かびあがる。そしてスリーマイル、チェルノブイリ、六ヶ所村。「あしたを消さないために、私たちに今、何が問われているのだろうか」。

・お話:製作スタッフ
by eigasai2008 | 2012-09-16 23:59 | 映画祭2012について